パレデナシオンのクジャク

国連欧州本部は、ジュネーブのアリアナ公園と呼ばれる広大な敷地の中にあり、パレデナシオン、(宮殿)とよばれている。

アリアナ公園は、もともとはルビヨー・デ・ラ・リーブ家というジュネーブの名家のもの。1877年、主ギュスターブは趣味の美術品収集収蔵のため、敷地の一角に美術館を建造し、母の名前を取ってアリアナ美術館と名付けた。美術館を囲む25ヘクタールの土地はアリアナ公園とし市民に公開。

1890年、生涯独身で跡継ぎがいなかったギュスターブの死去に伴い、アリアナ公園はジュネーブ市に寄贈されたが、遺言によって3つの条件が付けられていた。
1)ギュスターブの墓を敷地内に作り埋葬すること
2)生前から好んで飼っていたクジャクが敷地を自由に動き回れること
3)公園の一般公開を続けること

遺贈を受けたジュネーブ市は忠実にこの条件を守り続け、1920年の国際連盟の設立時以来、1946年に国際連合が設立され、国際連合欧州本部に衣替えしてから現在までに至っている。

交通事故や犬猫狐や猛禽類の存在など、生育環境はクジャクにとって結構厳しい。公園には狐がたくさん生息しており、木の枝の高いところまで行かずに休息したクジャクはやられてしまう。淘汰を経て、クジャクの数は減少し、1997年には日本の動物園からクジャクが寄贈されたこともあった。

今年8月あらたに国連欧州本部にインド政府から5匹のクジャクが寄付された。これらのブルー4匹と白1匹のクジャクは国連のロゴを象徴しており、一般から名前を公募されるという。インド代表部大使は、1981年以来、インドがまたクジャクの伝統を引き継いで行けることに喜びを感じると述べた。

3か月ほどの期間を経たのち、クジャクはアリアナ公園を自由に散歩できるようになる。気ままに闊歩するクジャクはお土産を振りまいているので、見学者は注意が必要だろう。

Facebooktwitterlinkedininstagramflickrfoursquaremail

Leave a Reply