2026年ノーベル平和賞

ノルウェーのノーベル委員会は10月9日、2026年のノーベル平和賞を、ナヴァネセム・ピレイ氏に授与すると発表した。ピレイ氏は、国連人権高等弁務官や国際刑事裁判所(ICC)の判事などを歴任した国際法の専門家である。

ノーベル委員会のフリードネス委員長は、授賞理由について、ピレイ氏は「戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイド(集団殺害)が確実に訴追されるようにするうえで、極めて重要な役割を果たしてきた」と述べた。

インド系タミル人の家庭に生まれたピレイ氏は、1941年、アパルトヘイト下の南アフリカ・ダーバンで育った。1967年には、当時のナタール州で女性として初めて法律事務所を開設し、反アパルトヘイト活動家の弁護や人権擁護に取り組んだ。ハーバード大学ロースクールで法学博士号を取得し、1995年には南アフリカの高等裁判所で初の黒人女性判事となった。

その後、ルワンダ国際刑事法廷の判事・所長、国際刑事裁判所(ICC)の判事、国連人権高等弁務官などを歴任。国連人権高等弁務官は2008年から2014年まで務め、人権、平等、そして社会的弱者の保護に尽力した。

2021年から2025年には、国連人権理事会が設置した「東エルサレムを含むパレスチナ被占領地及びイスラエルに関する独立国際調査委員会」の委員長を務めた。

また、国際司法裁判所(ICJ)の特任裁判官として、ガンビアがミャンマーを相手取り提起した、ロヒンギャに対する行為がジェノサイド条約に違反するかをめぐる訴訟にも関わっている。

UNHRCのフォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官は、今回の受賞は、人権、法の支配、正義、そして説明責任が、平和、安全保障、繁栄を含むあらゆるものの基盤であることを改めて示すものだと評価。

また、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、ピレイ氏は歴史的な国際法訴訟の数々において、揺るぎない姿勢で正義を訴え続けてきた「独立した声」だったと述べた。今回の受賞は、国際法、法の支配、人権を守るために取り組むすべての人々への賛辞でもあると強調した。

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